【2024年企画/第3話】ナイロンラインを諦める

100均ジグ×ナイロンライン(since2024)

この企画を始めたときは、このような結論に至るとは思っていませんでした。

第1回目は低伸度、第2回目は高比重に着目し、ベイトタックル×100均ジグでの理想のナイロンラインを探しました。

しかし、ラインが伸びる、感度が悪い、ラインが潰れるなどのフロロでは感じなかった欠点を強く認識することになりました。

何種類か購入して実釣したところ、多少商品によって差はありましたが、いずれも上記の傾向があったので、ナイロン素材の宿命と考えるしかありません。

その後、気になったので、書籍や素材メーカーのサイトなどでナイロンやプラスチックについていろいろ調べてみました。

ナイロンと一口に言っても種類が膨大にあり、材料を変えたり、他の素材を添加することなどによって、用途ごとに対候性や吸水性といった特徴をマッチさせているそうです。

私が実釣した中で、環境負荷という観点から気になったのは、根掛かりが多く、外すときも難しいということでした。

ラインの感度が低いため根掛かりしてしまい、伸びが少ないため外すことがフロロよりも難しいと感じたのです。

この企画の当初の目的は、EUでPFAS(有機フッ素化合物)に対する規制強化が進んでいて、その原因は環境(人体含む)への負荷であることから、環境負荷の少ないラインとして、従来使用していたフロロカーボンラインをナイロンラインへ置き換えようというものでした。

ところが、実釣を繰り返す中で、ナイロンラインの方がフロロカーボンラインよりもラインブレイクするリスクが高いということがわかってきました。

ナイロンはプラスチックの一種ですので、マイクロプラスチックの問題や処分時のCO2排出の環境問題を抱えています。

したがって、フロロカーボンラインが絶対悪で、ナイロンラインは環境に良いということにはなりません。

製造、使用、廃棄という製品サイクルを通しで見て、環境負荷を考えるべきです。

ナイロンラインの製造という観点では、一消費者の立場ではわからないので、使用と廃棄の2点から考えると、使用は既に述べてきた通り、ラインブレイクにより海中へ残してしまうリスクがフロロより高く、劣化が早いため廃棄のサイクルは短いといえます。

すなわち、総合的に考えると自分の釣りにおいては、フロロの方がナイロンよりも環境負荷が低いということになります。

企画した当初にこのような考えに至るとは思いもしませんでしたし、諸外国で規制強化が進んでいるようなものを使用することに抵抗感があることは事実です。

また、この企画の趣旨に賛同し、期待してしてくれた人に対しては申し訳なく思います。

しかし、諸々考慮して考えた結果の現時点の結論です。

今後もこの件に関する情報を集め、実釣で試し、他の考え方はないか考察していきますので、考えが変わることもありえますし、日本でフロロカーボンラインの使用について規制が始まるかもしれません。

さて、こうなると2024年の企画の方向性が変わりました。

これまで理想のナイロンラインを探す中で、いくつかのメーカーのナイロンラインに触れ、たくさんのことを学ぶことが出来ました。

そこで、フロロカーボンラインについても、いくつか商品を買って試してみたいと思います。

新たな発見があるかもしれません。

中にはナイロンラインよりもラインブレイクリスクの高いものもあるかもしれません。

次回以降は理想のフロロカーボンラインを求めて進めていくこととします。