19ストラディックC5000XGのセルフオーバーホール
2020年に購入し、約5年間使用してきた19ストラディックC5000XG。
23ストラディック4000を購入してサブ機になったため、セルフオーバーホール(分解フルメンテナンス)をすることにしました。
釣行後のメンテンナンスとラインローラーの分解メンテンナンスはしていましたが、今回はラインローラー、ドラグ、アームカムから本体まで全部バラシてみることにしました(ハンドルは注油のみ)。
そこまで気になる症状はないのですが、ハンドルを回すとギヤにゴーリゴーリとあたる振動が伝わってきます。
実は購入時からあったもので、釣行には何の影響もないのですが、この際なので原因を探ってみることにしました。
まずはドラグ部分からメンテナンス。

C5000のスプールと追加で購入してあった19ストラディック4000MHGのスプールの2つをメンテナンスします。

カーボンワッシャーが削れたカスが出ていましたので、洗浄し、ドラグ用グリスを付けて組み付けるだけの簡単な作業です。
歯ブラシと綿棒で大きな汚れを落としてからパーツクリーナーに浸します。





これだけ汚れが出てきました。
洗浄して乾かしたらドラグ用のグリスを塗布します。

ストラディックはハイエンド機種に比べるとドラグ性能は劣るようですが、筆者にとっては十分で、むしろ感動するくらいの良い性能です。

70㎝台のワラサやマダイ、90㎝のサワラはストラディックで仕留めましたが、ボディ剛性含めて全く不安はありませんでした。
なお、このクラスより大きい魚を狙うときは、SWリールを使用します。
続いて本体をバラしていきます(ラインローラーとアームカムは割愛)。
5年間もメンテナンスしていなかったので、錆が出て、グリスも変色しているでしょう……と思ったのですが、

想像していた以上にキレイでした。
ショアのみでの使用ですが、潮しぶきは結構かかっているはずです。
それなのに、中に塩水が入ったような感じはありません。
摺動子ガイドがオイルで黒ずんでいますが、通常起こりうる範疇の汚れだと思います。
気になったところといえば、ピニオンギヤの根本が黒ずんでいたこと、フットカバーを開けるとところどころ緑色になっていたことで、どちらも錆だと思います。

↑画像ではわからないですが、結構黒ずんでいる箇所がありました。

↑緑色の点がところどころにありました。
しかし、それ以外にこれといって見た目で気になるところはありませんでした。


すべて洗浄・オイル塗布し、再度組付け、ゴリ感が解消されるか試してみます。

きれいになりましたが……小ゴリ感は解消されません。
本体カバーのネジのトルクを調整したり、締め付ける順番を変えたり、芯だし作業をしてみたり、組んではバラシをいろいろやってみました。
試行錯誤のうちに、リールを下向きにしたときにゴリ感が増すことがわかりましたので、ピニオンギヤがガタついているのではないかと考えました。
そして、ピニオンギヤに接触しているウェーブワッシャーを通常のワッシャーに変えてみることにしました。

↓元々組み付けてあったウェーブワッシャ―φ6

↓通常のワッシャーへ変更

ウェーブワッシャーはデジタルノギスで測った限りでは厚み0.1mmで、ウェーブを考慮すると0.3mm程度まで厚みが変わりそうなので、ワッシャーを0.3mm→0.2mm→0.1mmの順に試してみました。
0.3mmと0.2mmではハンドルがひっかかってダメでしたが、0.1mmはフィットしました。
その結果、リールを上へ向けても下へ向けてもゴリ感はほぼ消滅しました。
グリスの量を減らしたので巻きのしっとり感は減りましたが、軽快な巻き心地になりました。
あとは実釣で負荷をかけてみて異常が出ないかどうかです。
最初からギヤ等のパーツ交換も考えましたが、やれるだけのことをやってダメだったらにしようと思ってチャレンジしたのがうまくいきそうです。
メーカーとしては、ストラディックは中級機種という位置づけのようですが、このクラスでも防水性がとても高いことがわかりました。
最近のスピニングリールってすごいですね。
まだまだ使う予定なので、ウォームシャフト後部にグリスを大量に塗り、本体とカバーの継ぎ目にも塗布して防水性を高めておきます。

スプールは出張中のため画像はスプールなしの状態ですが、これでセルフオーバーホールは完了です。





ローターに傷がついていたりしますが、こうやって分解して手をかけてあげると愛着が湧いてきます。
ハンドル1回転で巻きすぎるとか、ハンドルの慣性が大きすぎるとか、ちょっと重いとか、わがまま言って申し訳ないのですが、この手の番手でやりたい釣りには繊細さが必要なので、今後は後輩の23ストラディック4000でやらせてもらうことにします。
これからはプラッギング中心に中型魚狙いでの出番があるので、まだまだ頑張ってもらいたいと考えています。
ちなみに、筆者は機械の分解が得意でもなく器用でもないので、シマノのHPで公開されている分解図、先人のブログや動画、本を参考にして行いました。
メンテナンス道具は初期投資でかかりますが、リールをたくさんもっている人や不具合が生じたときに自分で直せると長期的にみてコスパは良いと思います。

さらに、リールに愛着が湧くのと、構造を知ることが出来るので釣りに活かせるというメリットもあります。
メンテナンスに興味のある方は、メーカーごとにオーバーホールやパーツ販売の取り扱いが異なりますので、気になる方は調べてみてください。
分解メンテナスはいきなり取り組むのではなく、下調べを十分にして、じっくり検討することをおすすめします。
分解してわからなくなり、日をまたいだりすると復元不能になってしまう可能性もあります。
不具合が出て処分に迷っているリールや使わなくなったリールで試してみるのが良いと思います。
この本も参考にしました。分解しないとしてもリールの勉強になります。
新たに購入した23ストラディック4000も微かにゴリ感を感じるので、ゴリ感が大きくなってきたら今回と同じワッシャー変更を行おうと思います。
もしかしたらストラディックには多い症状なのかもしれません。

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