魚にラインは見えるのか
魚にラインは見えているのか。
釣り人なら一度は疑問に思ったことがあるでしょう。
魚にラインが見えているとすれば、警戒心を持たれ釣れにくくなっているのではないか。
巷には、ラインを見えないようにするために出来るだけ細いラインを使う方が良いとか、色がついていないラインの方が良いとか、逆にある状況ではある色がついていた方が良いとか、屈折率が水と近い方が良いとか…いろいろな説があります。
数年前のことです。
目の前には大量のイワシの群れ。
このイワシを釣ろうと100均ジグの上に3本針の自作サビキを付け、イワシの群れに放り込みました。
団子状態になったイワシのど真ん中にサビキを投入したので、イワシが鈴なりになって釣れるイメージだったのですが……釣れない。
もう一度やってみるが……釣れない。
何回かやってみましたが釣れません。
そうか、フリーフォールだと速すぎて食いつけないのか、それならカーブフォールにしてみよう。
イワシの群れの少し向こう側に投げて、カーブフォールでサビキの部分がイワシの群れをちょうど横切るように通せば今後度こそ釣れ…………ない。
こちらも何度やっても釣れません。
でも、フリーフォールと違って、コツコツ当たる。ハリがかりしないだけなんだ。
そう思って何回かやってみましたが、なぜか釣れません。
ふと、このコツコツと当たる感触はなんだったのか疑問に思い、もう一度じっくり観察しながらイワシの群れにサビキを通してみると、なんと、ラインがイワシの身体に当たった衝撃だったのです。
つまり、イワシはラインが見えないため避けられずに身体に当たってしまっていたか、ラインが見えていても避ける必要性を感じず当たっていたようでした。
以前ヤマメを水槽で飼っていたとき、屋外でとってきたミミズを餌として与えるため、ろ過フィルターの水の吐き出し口から投入したことがあります。
このとき、ミミズには小さな落ち葉がついていました。
魚は水の流れてくる方を向いて泳いでいるため、ミミズと一緒に投入した落ち葉は水流に乗って魚の方へ向かっていきます。
よけると思いきや小さな落ち葉はそのままヤマメの顔面に当たり、その後水流に乗って後方へ流れていきました。
ヤマメに落ち葉が見えていないはずはありません。
しかし、当たっても何ら気にする様子はありませんでした。
何度かやりましたが、土などの小さなゴミでも同じような反応でした。
考えてみると、自然では雨が降れば川の水は濁り、土やらゴミやらいろいろ流れてきます。
魚がそのすべてを避けられるわけがありません。
身体に当たっても気にしないことがあっても、何ら不思議ではないのです。
また、あるとき漁港で20㎝~30㎝くらいのサバの大群に遭遇しました。
このときは100均ジグのアシストフックにティンセルとアジングワームのどちらが有効かという実験をしていました。
このとき、訳あってフロロカーボンラインを使用していましたが、フロロカーボンラインはナイロンラインやPEラインよりも水の屈折率に一番近く、魚に見えづらいとされています。
ところが、このフロロカーボンラインを食べようとサバがつつくのです。
つついているのは結んだラインの切れ端などではなく、ジグの1m以上も上の部分です。
太陽光に反射してエサに見えたのでしょうか。
そして、イワシのときと同じようにカーブフォールさせると、ラインがサバの身体にビシバシ当たるのです。
このときはサバを何匹も釣ることができました。
これらのことから、イワシやサバはラインが見えているし、見えていても当たることがあるし、ラインが見えていて当たるようなことがあっても釣ることができるのではないかという仮説が出来上がりました。
仮説止まりの理由として、ラインを認識した魚、身体にあたった魚、釣れた魚が同一の個体であるかどうかはわからないからです。
つまり、釣れた魚はラインを認識できなかった魚で、ラインを認識した魚は釣れなかったかもしれないのです。
これまでの100均ジグの釣りでは、主に16lbのフロロカーボンラインを使用してきました。
太すぎて見切られたとか釣果が落ちたといったことを感じたことはないですが、ジグというスピードの速い釣りに限った話かもしれません。
餌釣りやワームの釣りのようにじっくりと見せる釣りでは、ラインの見える見えないが釣果に影響するのかもしれません。
こうした経験から、100均ジグの釣りにおいて、魚がラインを見えているか否かは釣果に大きな影響はないと考えています。
釣果を上げたいなら、他の要因を探った方が効果があると結論づけています。
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