「巻くだけで釣れるルアー」を使っても釣れない
釣具店に行った時のこと。
ジグのコーナーに立ち寄ったとき、「このルアーは巻くだけで釣れる…」というPR動画の音声が流れて来ました。
そのとき、本当に巻くだけで釣れると信じてしまう人もいるのに…と複雑な気持ちになったので記事にすることにしました。
先に残酷なことを言いますが、巻くだけで釣れるルアーを使っても、釣れないときはあります。
「巻くだけで釣れる」というのは誇張表現であることは誰でもうすうす気づいているはずですが、ついこのキャッチフレーズに惹かれて買ってしまった人もいるでしょう。
本来、「巻くだけで釣れる」というフレーズには補足が必要で、「一定の条件が揃えば」巻くだけで釣れるのです。
ここでいう一定の条件とは、わかりやすい例では、魚の活性が上がっているときです。
魚の活性が上がって目の前を通った口に入るものにすべて反応するときにそのルアーを使えば、巻くだけで釣れるでしょう。
厳密に考えると、その状況であればそのルアーじゃなくても巻くだけで釣れるかもしれません。
問題は、釣りをする一般的なケースを考えたとき、巻くだけで釣れる蓋然性よりも巻くだけでは釣れない蓋然性が高いと考えられるのに、巻くだけで釣れるというフレーズを使ったことにあります。
このフレーズだけでは、どんな状況でも巻くだけで釣れると消費者が捉えても不思議ではありません。
もし、巻くだけで「他のルアーより」釣れるというニュアンスであれば、それをきちんと明示すべきです。
メーカーサイドから見ると営業妨害だと感じるかもしれませんが、それなら、どのような状況でも巻くだけで魚を釣る自信があるのでしょうか。
指定した日時、場所で100%の確率で、本当に巻くだけで釣ってくれるのでしょうか。
「巻くだけで釣れる」というフレーズは前からある表現ですが、過大表現なのです。
今は景品表示法という法律もありますので、優良誤認に該当する可能性があることに気を付けた方が良いでしょう。
純粋な消費者もいるのですから。
前から感じていましたが、消費者の無知を利用するケースはたくさんあります。
釣り具のカタログも結構ひどいものです。
他にも、私自身、気づいていないだけで信じ込んでいるマヤカシは未だにたくさんあると思います。
消費者が賢くならなければ業界のレベルも上がらないので、我々は賢くならないといけないのです。
さて、ここからプラス思考で考えましょう。
「巻くだけで釣れる」というフレーズを信じて買ってしまった方は、巻けば釣れると単純に考えず、そのルアーの使いどころを考えてみましょう。
たとえば、そのルアーにブレードがついているとします。
これはたとえばの話です💦
ここからは私の考えですが、ブレードがついていると集魚効果があります。
すぐに見切られてしまいますが、フグ、カワハギ、イシダイの幼魚、ベラ、エゾメバルの幼魚はわらわらと集まってきます。
ブレードの最大の効果は、抵抗が大きくなる分、ちょっとした操作ミスでも浮きあがりにくく沈みにくくなるので、レンジのキープがしやすくなることです。
だから、ボトムをひきずらないように浅場を攻めたり、レンジキープが有効な状況で威力を発揮します。
どんなルアーにも得意なことと不得意なことがあり、万能なものはありません。
どのルアーでも必ず使いどころがありますので、耳障りの良いキャッチフレーズに惑わされることなく、ここぞというときを見極めて使いましょう。
そして、釣れないときはさっさとルアーローテーションしましょう。
このテの話は、「見える魚は釣れない」とか「カラーと釣果の関係」とかたくさんありますので、本当かな?と考えてみることが大事です。
最後に、表題についてきちんと補足しなければいけませんね。
「巻くだけで釣れるルアー」を使っても釣れない は、
「巻くだけで釣れるルアー」を使っても釣れないときがある が正しい表現になります。
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