ジグを遠くに投げたいならベリーを曲げるイメージを
2020年はスピニングタックルでダイソーショアジギングを楽しむ計画でしたが、緊急事態宣言や自主規制により、ほとんど出来ませんでした。
しかし、数回釣りに行った中で改めて気づいたことがありましたので、記事を書くことにしました。
今回のテーマは、『ロッドの曲がり』についてです。
ロッドの曲がりは、ジグの飛距離、バラシにくさ、魚をかけた後のコントロール(主導権)、ロッドの破損しにくさなどに関係しています。
ロッドを3分割して考える
ロッドは、ガイド、ブランクス、リールシート、グリップなどのパーツを組み合わせて作られていますが、今回は『ロッドの曲がり』についての話であり、注目するのはリールシートから先端の部分(リールより穂先側)です。
リールシートから先端の部分は、穂先に向かって細くなっていくロッド本体ともいえるブランクスと、ラインを通すガイドから成ります。
このブランクスを均等に3分割したとき、穂先からリールシートに向かって、ティップ、ベリー、バットという名称がつけられています。
この3つの概念はざっくりしていて、穂先から何センチまでがティップとか、ティップとベリーの境目はココといった明確な定義はありません。
だいたい均等に3分割したとき、上から順位ティップ、ベリー、バットと呼んでいるという大雑把な話です。
しかし、このざっくりした概念をしっかり意識することで、釣りが上手になるのです。
3パーツの役割
ここからは本サイトのテーマに沿って、100均ジグを使ったショアジギングを中心に説明していきます。
説明するまでもないのですが、ティップが一番細くて曲がりやすく、次にベリー、最も太くて曲がりにくいのがバットです。
ティップ
ティップの役割は、
・アタリをとる
・ジグに細かなアクションをつける
という2点が挙げられます。
ベリー
ベリーの役割は、
・キャスト飛距離を伸ばす
・1メートルリフトするときなど大きめのアクションをつけやすくする
・かけた魚の引きをいなす
などがあります。
バット
バットの役割は主に、
・大物や大きいゴミなどを引っ張り上げたいときに大きな力をかける
というものがあります。
つまり、小さな力がかかるときはティップ、大きな力がかかるときはバットに頑張ってもらいます。
ジグを投げるときは、ジグの重さだけではなく遠心力やジグへの空気抵抗などの力が加わるため、想像以上に大きな力がロッドにかかっています。
だから、遠投したいときはティップで投げようとしてはいけません。
また、根がかりしたり、根に走る魚を浮かせたいときにはバットを使うべきで、ティップでやろうとするとロッドの破損につながります。
意図的に曲げる感覚を身につける
さて、ここまででロッドの3つのパーツとその役割についてざっくり説明してきましたが、意図的にそのパーツを曲げられるでしょうか。
たとえば、ダイソージグを投げるときに『ピュッ』と音がしているときは、ベリーとバットが曲がっておらず、ティップに負荷がかかっている可能性があります。
では、実際にロッドを手に持ってやってみましょう。
まず、ロッドを振って、ティップ(ロッドの先端部分)を曲げてみてください。
室内でやるときは十分注意してください。
ゆっくりロッドを上下に振って…徐々にスピードを上げてみましょう。
ティップが大きく曲がっているときは、次のような特徴がありませんでしょうか。
・ピュンピュン高い音が鳴る
・手首(リールシート)あたりが支点になる
・ベリーは少し曲がるが、バットはあまり曲がらない
次にベリー(ロッドの中央部分)を曲げてみてください。
これは先ほどより難しくなります。
・ティップの音(ピュンピュン音)が小さくなる
・手全体を動かすことになり、手首(リールシート)よりもグリップエンド側に支点がずれる
といった特徴が現れてきます。
最後に、ベリー(ロッドのリールシートに近い部分)を曲げてみてください。
これはかなり難しいですね。
ここは実際の釣りの経験を交えて考察すると、
・ティップの音(ピュンピュン音)はより小さくなる
・腕全体を動かすことになり、グリップエンドを延長した先に支点があるイメージ
以上より、
ティップを使いたいときは手首(リールシート)を支点に、バットを使いたいときは腕全体を使ってロッドを平行移動するように動かすことがわかります。
テレビの釣り番組で見たことがあるかもしれませんが、
渓流や管理釣り場で軽いルアーを投げるときは小さな力で良く、手首中心にロッドを振るため『ピュッ』という音がなり(ティップを使う)、ジギング船で重くて抵抗の大きいジグをしゃくるときは大きな力が必要なので、ロッドを上に平行移動させるような動きになるのです(バットを使う)。
100均ジグのキャストにおいては、その中間の『ベリーを曲げる』イメージが大事です。
つまり、手首を使ってキャストをするのではなく、もう少し大振りになって良いのです。
また、キャスト音は気にしなくて良いです。
同じジグを使っていても、ロッドの長さ、硬さ、調子(曲がり方)、ルアーの垂らしの長さ、身長や身体能力、風によって投げ方は変わります。
8フィート台の長さでMくらいの硬さならバット寄りのベリー、10フィートでHの硬さならティップ寄りのベリーを曲げるイメージです。
まとめ
ロッドはティップ、ベリー、バットの3つのパーツに分けられます。
小さい力が必要な時はティップを、大きな力が必要なときはバットを使います。
力の大きさとロッドの役割がミスマッチすると、ジグの飛距離が出ない、かけた後の魚をコントロールできない、ロッドが破損する、疲労につながるなどの影響があります。
意図的にロッドの部位を曲げる技術と感覚を磨けば、釣りが上達します。
もし今まで曲がる部位を意識していなかったのなら、
・キャストごとにイメージ通りのパーツを曲げられたか
・魚を釣るごとに狙ったパーツを使って寄せられたか
をチェックしてみてください。
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