「釣れない」投稿から釣れる確率を2倍に上げる考え方
雪どけが進み、ホッケの釣果がちらほらと聞こえてくる季節になりました。
ホッケは回遊魚のため、昨日は爆釣でも今日は魚が全くいないなんてことはよくあります。
だから、この時期の「場所選び」は釣果を分ける大変重要な要素なのです。
さて、ここで思考実験です。良ければ一緒に考えてみてください。
これから釣りに行こうと考えていて、釣り場の候補は3か所あります。
釣れる場所はどこか1か所だけですが、どこが釣れるかは事前に見当がつかないため、アタリの釣り場を選ぶ確率は1/3です。
アタリの場所かどうかは、実際に釣りに行ってみないとわかりません。
SNSで釣り中も情報収集をしますが、釣れているときに即、その場所を公開してくれる人は誰もいません。
せいぜい事後にここで釣れていたと投稿がある程度です。
回遊魚は日が違えば同じように釣れるとは限りませんから、後日公開するのであれば叩かれることも少ないというのが理由のようです。
一方で、釣れなかったという投稿の方が即時に上がってくることがあります。
結構リアルな設定ですが、ここまではイメージできたでしょうか。
さて、今検討している3つの釣り場候補をA、B、Cとしましょう。
どこか一つは爆釣で、残り2つはボウズです。
事前情報はありませんので、どこの場所を選んだとしても当たる確率は1/3です。
さあ、出発の時間が迫ってきました。
確率は一緒ということですから、今回はAという場所へ行くことに決めました。
そして、Aに行ってみましたが…。
釣れません。
場所を変えてみようかと心が揺らぎます。
でも、このまま続けていれば魚が回ってくるかもしれません。
ここでSNSをチェックしてみます。
すると、「Cで釣りしていますが、誰も釣れていません」
と投稿が。
当初の予想通り、釣れていないという情報はタイムリーに出てきたのです。
しかし、Bの場所の釣果についての投稿はないので、釣れているか、釣れていないかはわかりません。
このとき、Bに場所移動をすべきでしょうか。
それとも、Aに残って釣りをするべきでしょうか。
もしくは、大穴狙いでCに行ってみるべきか。
さて、ここまで読んでくれたみなさんは、どのような選択をしますか?
Cを選択する人は、今まで釣れなくてもこれから釣れ出すはずだと考えたり、情報そのものを信じていないか、はたまた自信家かもしれません。
Aに残ることを選択した人は、その理由を説明できますか?
移動時間や手間を考慮したのでしょうか。
Bを選択する人は、その理由は何ですか?
情報がないところで試してみたいという理由でしょうか、それとももっと合理的な理由があるのでしょうか…。
この判断は、「モンティ・ホール問題」にヒントを得ることが出来ます。
「モンティ・ホール問題」という名前を聞いたことがある人もいると思います。
さて、今回の釣り場選択の状況を整理すると、以下のようになります。
①選択肢は3つで、アタリは1つだけ
②自分が1つ選んだあと、自分が選んだものがアタリかハズレかに関わらず、残り2つのうち、どちらか一方がハズレであるとの情報を得られる
③2択になったうち、当初の選択を変更することができる
④正解が発表される
今回の釣り場選択のケースでは、場所を選択する機会は2回あります。
1回目は最初の3択の段階で、2回目は2択になった段階です。
このときの確率を考えると、1回目でアタリを選ぶ確率は1/3ということは良いでしょう。
では、2回目で選択肢を変えない場合と、選択肢を変更する場合はどちらが当たるのでしょうか。
これは、変更した方が当たる確率は2倍になります。
詳しい解説は「モンティ・ホール問題」で検索してみてください。
このことを応用すると、先の釣り場選択では、場所移動が正解という結論になります。
現実を考えると、移動したらマズメの時間を逃すとか、道具を片付けるのが面倒だとか、移動しても場所に入れないないかもしれないとか、解答は変わってくるので難しいですが、根本の考え方は「モンティ・ホール問題」と同じです。
こうした考え方を基に現実的な問題を加味して様々な選択を行い、釣果へと結びつけられれば釣果は上がるでしょう。
釣りは道具、技術、運、体力だけでなく、頭も適度に使う必要があるんですね。
以上、今回は、条件が合えば何気ない「釣れない」という情報で釣れる確率が2倍に上がるという話でした。
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