【2024年企画/第1話】理想のナイロンラインを求めて
2024年は「ベイトタックル×ナイロンライン×100均ジグ」の釣りに取り組みます。
これまでの経緯を少し説明すると、2023年当初はベイトタックルでの100均ジグの釣りを詳しく説明しようと考えていました。
これまでの100均ジグでの釣りではフロロカーボンラインを使い続けていましたが、そんな中、EUでPFAS(有機フッ素化合物)に対する規制が強化されました。
国内でも規制されるのか、規制される場合に日本で販売されているフロロカーボンラインが対象になるかといった情報は現時点ではわかりませんが、フロロカーボンライン以外のラインを使用した釣りについても、今から検討しておくべきだと考え、2024年はナイロンラインでの釣りに取り組むことにしました。
前置きはここまでとして、フロロカーボンラインとナイロンラインの特徴を比較すると、概ね以下のように言われています。
・比 重 フロロカーボンライン>ナイロンライン
・伸縮性 フロロカーボンライン<ナイロンライン
・吸水率 フロロカーボンライン<ナイロンライン
・しなやかさ フロロカーボンライン<ナイロンライン
・直線引張強度 フロロカーボンライン<ナイロンライン
・結束強度 フロロカーボンライン<ナイロンライン
・耐摩耗性 フロロカーボンライン>ナイロンライン
・劣化速度 フロロカーボンライン<ナイロンライン
・扱いやすさ フロロカーボンライン<ナイロンライン
フロロカーボンラインは硬いため、特に太糸やスピニングタックルでは扱いづらいラインです。
ところが、漁港等でベイトタックルで釣りをする場合はそれが有利に働きます。
比重が大きく、伸縮性がなく、硬いからこそフォール中のアタリがとれ、また、リフト時にジグのバタつきを感じられることで、どの程度の速度でロッドを動かせば良いのか、潮をかんでいるのかを把握しやすくなるのです。
そこで、「低伸度」・「高比重」がフロロカーボンラインの特徴とざっくり整理し、低伸度のナイロンラインをいくつか購入し、試投してみました。
試投のチェックポイントは次の5つです。
・ラインが水面に落ちるまでの速さ
・リフト時のラインの水キレの良さ
・リフト時のジグアクションの感度
・フリーフォール時のラインの弛み
・全体的な感度
これらの観点から予め選定した低伸度ナイロンラインを検証した結果、最も私が得意とする釣りがしやすかったのは、アプロード GT-R nanodaX(サンヨーナイロン)でした。
スプールに巻いた時点で、ラインがボワッと広がったので、コシが強そうだなと感じていました。
他に試したナイロンラインも、ナイロン特有のしなやかさがあり、フロロカーボンラインと比較するとスイベルとの結束のしやすさに驚きました。
しかし、ラインの自重がフロロカーボンラインと比較すると軽く、水面に落ちるまでの時間が遅いことから、着水後やフォール&リフト時のリフト後のフォールに移行した際に、ラインが馴染むまでの間のアタリがとりづらいと思いました。
総じて、フロロカーボンラインと比較すると扱う際のもたつきが大きいと感じました。
これまで紹介してきた私がやっている釣り方は、ラインでアタリをとって掛けていくスタイルに近いで、ラインメンディングと瞬発力は大事な要素なので、もたつくのは厳禁です。
また、感度はフロロカーボンラインに到底及ばず、リフト時にジグのブルブルと震えるアクションが手元に伝わりづらい、もしくは全く伝わらないラインもありました。
1回目の今回は「低伸度」に重点を置いてラインを選定しましたが、「高比重」のラインも検証する必要性を感じました。
今後は「高比重」ラインを試し、各種要件をクリアすれば、「強度・耐久性」の検証に進みたいと思います。
※フロロカーボンラインの素材が仮に環境に悪影響があるとしても、例えば、根掛かりでロストする際、縛り強度の弱いフロロカーボンラインはルアーとの結び目で切れる確率が高く、耐摩耗性の低いナイロンラインの方はラインの途中から切れるとすれば、ナイロンラインの方が水中に残るラインが長く、結果的にナイロンラインの方が環境負荷が大きいということになるかもしれませんので、一概にフロロは悪い、ナイロンは良いとは言えません。
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