【ブログ限定公開】水深10m 100均ジグのフォール水中映像
ジグは水中でどのようなアクションをしているのでしょうか。
ジグを使う人は誰もが気になる話題だと思います。
足元でちょんちょんと動かしてキラキラ光らせたり、シャクってフォールしていく様を観察したり。
みなさんも一度はやってみたことがあるのではないでしょうか。
今回はフォールアクションに焦点を当てた記事です。
100均ジグの水中動画はいくつか公開されていると思いますが、水深が2mに満たない浅い場所での撮影がほとんどではないでしょうか。
以前から説明していますが、水深が2mと水深10mではジグのアクションは異なります。
ジグは浅い場所よりも深い場所で使う方が優位性があるので、今回水中映像を撮ったのは実際の釣り場を想定した水深約10mの場所です。
ジグのフォール姿勢を巡っては、2022年6月時点で販売している100均のジグはセンターバランスだから「水平フォール」をするという意見が多くあります。
筆者は「真下に一直線に落ちていく」とずいぶん前から説明していますが、もしかすると同じ考えを持っている人はまだ少ないのかもしれません。
これが水深10mのジグのフォールアクションだ!
かなり見づらいですが、動画を撮りましたのでご覧ください。
最初にダイソーの『ジグロック』28g、次に『メタルジグ』40gです。
ご覧になりましたでしょうか。
順番が逆になりますが条件を整理します。
ここは水深約10mの漁港で、まず足元にジグを落とします。
その後ロッドでほぼ真上に約1mシャクって、素早くロッドを下げてのフリーフォールを繰り返しています。
ロッドはベイトロッドで86のM、ラインはフロロカーボンの16lbです。
結果
『ジグロック』(太身)は、フォール時はほぼ真下へ一直線に落ちていきました。
たまにウネって光ることもありましたが、ジグが水平姿勢になってフォールするいわゆる「水平フォール」は見られませんでした。
シャクったときはウネるとキラッと光りました。
次に『メタルジグ』(細身)も、フォール時はほぼ真下へ一直線に落ちていきました。
形状の違いもありますが、40gを使ったこともあり、フォール速度は『ジグロック』28gよりも速いように見えます。
ウネることは『ジグロック』に比べると少ないですね。
水平フォールはこちらも見られませんでした。
また、シャクったときのウネりも少ないです。
考察
今回、どちらのジグでも期待した「水平フォール」は見られませんでした。
水面付近では見られたのに、なぜでしょうか。
これはいくつか理由が考えられます。
その理由の一つ目は、水深10mではフォール直前の姿勢が垂直に近かったことが挙げられます。
水面にボチャンと落としたときは、確率的にジグが水平姿勢に近くなることも考えられるため、「水平フォール」が起こり得ますが、水深10mではほぼ真上にシャクリ上げ、しかも次で説明するようにラインにかかる水の抵抗があるため、垂直姿勢を崩しにくいのです。
そのため、初めから垂直姿勢に近い水深10mのジグは水面付近のジグよりも「水平フォール」する確率が低かったと考えられます。
次に二つ目の理由として、ジグが「水平フォール」するとき、ジグが水平方向へスライドすると仮定すると、このときラインを水平方向に引っ張るはずです。
水深10mまでほぼ垂直に入ったラインが水平方向に動こうとすると、約10m分のラインに水の抵抗がかかります。
そのためラインが水平方向へ動かなければジグも水平方向へ動かないのです。
これに対して、水面付近だと水中に入っているラインが短いため、かかる水の抵抗は小さく、ジグが水平方向へ動きやすいということになります。
ところで、この二つ目の考えにはセンターバランスであることが大きく関係しています。
別の記事で詳しく解説しましたが、ラインにかかる水の抵抗はラインとジグの結束部に対して上方向(水面方向)へ力をかけるので、結束部が上方向へ引っ張られてジグが回転し、最終的に垂直姿勢になりやすくなります。
だから、この上方向へ引っ張る力と釣り合うようなフロントバランスのジグならば、「水平フォール」が理論的に可能なのです。
2022年の企画として20種類以上のメーカージグを買いましたが、実はその中に水平フォールをしたジグが1つだけありました。
垂直のアクションという不利な状況下でも「水平フォール」するジグが実在したことで、机上の理論を裏付けることができました。
ここで、今回の検証の前提をおさらいしてみると大事なことが見えてきます。
まず、今回は垂直にアクションをしているという点です。
ジグを100m先に投げてラインを張るとジグが限りなく水平に近い状態になります。
ここからフリーフォールをすると、先に上げた一つ目の「フォール直前の姿勢」が水平に近いということになりますので、水平フォールする確率は上がります。
また、細いラインを使えばラインにかかる水の抵抗が小さくなるので水平フォールに近づくかもれません。
さらに、潮の流れの方向が水平フォールを促すこともあるかもしれません。
このように、今回の結果を解釈するにあたって、16lbのフロロカーボンラインを使い、足元でシャクってフリーフォールさせたという前提は無視できません。
余談ですが、カーブフォールはジグが動く方向へラインが出ませんので、水平フォールする確率は低いということも合わせて覚えておきたいですね。
そのあたりも考慮した上で、自分のジグがどのようなアクションをしているか想像力を働かせましょう。
話が散らかってしまったので整理すると、私の場合はこうしたことを踏まえ、確率論で「ジグがフォールするときは垂直に一直線になって落ちている」と考えて最近は釣りをしています。
この考えに、「潮の流れがあるときはフォール方向に(ネジのように)回転しながら落ちていくのでキラキラ光る」ということをプラスして覚えておくくらいです。
ちなみに、これも動画で確認済です。
水平フォールだとか、木の葉のようにフォールするとか、魅惑の言葉に踊らされた時期もありましたし、今でもそれを信じたい気持ちはあります。
現実はあまりに味気ないからです。
でも大事なことを学びました。
水平フォールはしなくても釣れるのです。
このことを知ったことで、魚を釣るのに必要な要素は何かという答えに一歩近づいたように思っています。
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