スピニングリール ラインローラーのメンテナンス方法
最近はスピニングリールでのダイソーショアジギングに励んでいますが、そこで困っていたのがメンテナンス。
海水の染み込んだラインを真水で洗い流すのはもちろんですが、そのほかにどこまでやったら良いかわかりませんでした。
これまで、釣行後は以下のようなことを行ってきました。
・ライン:ドラグをしめ、水道水がラインのみにあたるように弱めの水流で海水を追い出す。また、定期的に空スプールにラインを移し、真水を張ったボールに沈めて塩抜き
・ボディ本体:マイクロファイバータオルで水拭きした後、空拭き
・ラインローラー:水道水を当て、乾かした後に隙間からオイル注入
・ハンドル:水道水を当て、乾かした後に隙間からオイル注入
・スプールシャフト:ウエスで空拭きし、オイル注入
しかし、どうもこれだけではライントラブルが防ぎきれないことがわかってきました。
ライントラブルというのは、糸のヨレです。
糸がヨレるメカニズムの詳細については別の記事を見ていただくとして、スピニングリールにはラインローラーのメンテナンスが不可欠であるとの結論に至りました。
そこで、今回は私が最近行っているラインローラーのメンテナンス方法をまとめてみました。
今回実験台になってもらうリールは、19ストラディックC5000XG。
このリールは過去にライントラブルが頻発したことがあり、その原因は元々充填されている粘度の高い特殊撥水グリスと汚れの固着だと考えました。
一度メンテナンスを行いましたが、簡易的なものだったので、今回はその特殊撥水グリスを完全に洗い流し、粘度の低いオイルに置き換える作業を行います。
用意するもの
(上の画像に映っていないものもあります。)
・ドライバー
・ウエス(繊維が出にくいペーパー)
・トレー
・パーツクリーナー ※プラスチック対応のものと金属パーツ専用の2種類
・オイル
・ベアリングリフレッシュツール(ベアリング内の油分や汚れを洗い流すための道具)
・ベビー綿棒
・紙コップ
・歯ブラシ
・ピンセット
・エアーダスター(ベアリング内の異物や水分を空気圧で押し出すため)
メンテナンス開始
まず、ラインローラーのネジをドライバーで緩めますが、押す力7、回す力3でナメないように注意しましょう。
スプールは外しておいた方が作業がやりやすいです。
パーツを紛失したり落としたりしないよう慎重に分解し、ウエスの上に順番通りに並べておきます。
ラインローラーのベール接合部に、塩の結晶でしょうか、白い粉のようなものがついています(上の画像参照)。
また、ベアリングにも白いものがこびりついています(下の画像参照)が、これはおそらく元々充填されていた特殊撥水グリスです。
粘度が高く、また、汚れや乾燥等の影響により本来のベアリングの効能を低下させ、ライントラブルを誘発していました。
黒いカラー(ブッシュ)にもこびりついています。
ここから、一つ一つパーツクリーナーで洗浄していきます。
パーツクリーナーはプラスチック対応のものを使います。
きれいに見えてもゴミが出てきます。
ピンセットで固定しながら、パーツクリーナーの液体の中でふりふりして洗います。
こんな風にしてもなかなか汚れは落ちません。
カラーとベアリングにはまだ白いグリスが残っています(下の画像参照)。
ここからは、綿棒と歯ブラシの出番です。
ベアリングは目視で汚れのチェックと、ピンセットを通して回転をチェックします(下の画像参照)。
見た目はだいぶきれいになりました。
ただ、ベアリングの中にグリスや汚れが残っている場合があります。
今回は徹底的にやりたので、さらにここから金属用パーツクリーナーとベアリングリフレッシュツールを使ってきれいにしていきます。
ベアリングリフレッシュツールにベアリングをセットして、パーツクリーナーを噴射します。
ベアリングリフレッシュツールは内部が密閉に近くなっており、上部からパーツクリーナーを噴射することで、ベアリングに圧力をかけて洗浄できます。
このおかげで、中に入っていたグリスや汚れが押し出されます。
より圧力をかけるには、パーツクリーナーのノズルを外し、逆さのままリフレッシュツールに差し込んで噴射します。
今回も見た目はきれいだったベアリングでしたが、かなりの量のグリスが中から出てきました。
そこで、途中から金属パーツ専用のパーツクリーナーを使用しました。
金属用パーツクリーナー(リフレッシュツールと紙コップ内ふりふり)→エアーダスター→歯ブラシ&ウエスで掃除を5回ほど繰り返し、ようやくきれいになりました。
きれいになったベアリングに、オイルを注入します。
定期的にメンテンナンスするので、回転重視のオイルです。
あまりメンテナンスしない人は回転力より持続力を重視したグリスが良いでしょう。
ラインローラーの外のパーツも歯ブラシできれいにして、組み上げればメンテナンス完了です。
組み上げる際にパーツの順番や向きがわからなくなったら、ネットで検索してみると見つかることが多いです。
特に価格帯が高かったり、人気機種である場合は見つかりやすいと思います。
また、ある程度の価格帯(目安は実売価格7,000円くらい)で発売年から7年程度のシマノやアブガルシア製のリールであれば、展開図がネット上にあることが多いと思います。
初めて取り組む場合は、途中でわからなくなって組み上げられなくなったら困りますので、パーツの順番や組み方の情報があることを事前に確認した方が良いでしょう。
その場合でも、自分で修理や改造した場合はメーカーへの修理が依頼できないことがあるようなので注意してください。
このテのメンテナンスは自己責任と言われています。
私はもともと分解したり細々とした作業をするのには慣れていませんでした。
最初は緊張して慎重にやりましたが、やってみたら出来ました。
また、メンテナンスの効果を一度知ってしまったら、病みつきになります。
集中力と時間が必要なのでしょっちゅうはできませんが、汚れがごっそりとれて、輝きを取り戻したリールを見ると愛着が増します。
それに、道具の構造を知ることで釣りの世界が広がるのです。
それでもやっぱりメンテナンスが面倒な人は
それでもメンテナンスはやっぱり面倒!という方が釣行後に優先してやることは2つ。
・ライン真水で洗う(ドラグを締めて内部に水が浸入しないように。ラインにだけ水があたるように水流弱めで。)
・マイクロファイバータオルで拭く
ダイソーでマイクロファイバータオルを買うなら、キッチン用の薄いものではなく、掃除用の厚いものをおすすめします。
堤防でサビキやちょい投げならともかく、ルアーやるならトラブル回避のためリールの性能を維持することは重要ですので、やっておいた方が良いと思います。
メンテナンス用具についての補足情報
◆パーツクリーナー(樹脂対応)
パーツクリーナーは釣り具専用のものがありません。
釣り具と言えどもそれほど特殊な材質を使っているとは思えず、実績のあるメーカーが販売する樹脂(プラスチック)対応のものであれば問題ないという意見がありましたので、私もそれを信じています。
◆パーツクリーナー(金属パーツ専用)
樹脂対応のパーツクリーナーは洗浄力が弱いです。
今回はベアリングは強力に洗浄したかったので、金属パーツ専用のものを使いました。
◆ウエス
汚れを拭きとるためのものです。
キッチンペーパーで代用する人もいます。
ティッシュを使う人もいるようですが、細かい繊維が異物となってパーツについてしまうのでおすすめしません。
数種類のウエスを試しましたが、比較的安価で繊維が出にくく、厚手で使いやすいので次のものに落ち着きました。
◆オイル
今回のオイルはスプレー缶を使用しましたが、リールを購入するとついてくる下のタイプの方が安価です。
◆ベアリングリフレッシュツール
メンテンナンス初めたての頃、ベアリングリフレッシュツールは結構なお値段がするので、私は購入を見送りました。
しかし、メンテンナンスするリールの台数の増加により、購入を決めました。
使ってみると、ベアリング内部の汚れが目に見えて出てくるので驚きました。
ベアリングをしっかり洗浄したいときの必需品です。
このツールは洗浄だけでなく、グリスの圧入にも使えます。
ベアリングを洗浄するなら、用意しておきたいツールです。
以前は製造者が少なく、供給不足から価格が乱高下していましたが、今は比較的価格と在庫が安定しているようです。
◆エアーダスター(缶)
パーツクリーナー洗浄後、ベアリング内のパーツクリーナー液と異物を空気圧で押し出すために使います。
ドライヤーを使う人もいますが、ピンポイントでベアリングに圧をかけられません。
これもリフレッシュツールと同様に、効果が目に見えてわかります。
事務用品用で良いと思いますが、ピンポイントに噴射できるよう、ノズルがあった方が良いでしょう。
◆その他
ピンセットは先がしっかりと合うものが良いです。
ずれていると細かいパーツがつまめないのでストレスになりますし、パーツを落として紛失するリスクもあります。
綿棒は繊維が出にくいもの、小さい方が使いやすいのでベビー綿棒がおすすめです。ダイソーに売っているものを使っています。
パーツの点数が多い場合は、パーツを置くためにトレーを使います。
何かのはずみでウエスを引っ張ってしまったりすると、パーツがすべて飛んでいきますので。
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