【ダイソージグQ&A】プロにはできない根がかりロストを減らす方法
当サイトにお越しいただき、ありがとうございます。
今回のテーマは「ベイトショアジギング 誰も知らないブレーキセッティング」以来の過激なネーミングとなりました。
名前負けしないようにマニアックな話をしたいと思います。
前回と前々回の記事では根がかりコストについて書きましたが、いかがだったでしょうか。
複雑そうな計算と数字の話で読み飛ばした方も多いと思いますので簡単におさらいすると、根がかりしてラインブレイクしたときのコストはジグ代とフック代だけでなく、ラインの切れる箇所によってはライン代も損失となる上、時合いを逃してしまう機会損失やモチベーション低下といった見えないコストも発生しているというものでした。
根がかりは絶対悪。
金銭的、時間的、環境的に良いことがありません。
しかし、ボトムを避けて表層や中層しか狙わなかったり、障害物周りを攻めなければ釣果は下がってしまいます。
ボトムを攻められれば釣れる魚種は増え、攻め方の引き出しも増えるのでショアジギングがさらに面白くなります。
我々ショアジギングを楽しむ人はこの先ずっと根がかりと付き合っていかなくてはいけないのでしょうか?
今回は根がかりロストを減らし、同時に釣果をUPさせる方法を書いてみようと思います。
根がかりロストを減らす方法とは
根がかりしたときにジグのロストを減らす方法。
それは、アシストフックを故意に延ばしてジグを回収するというものです。
根掛かりしたときにフックを延ばせれば、根がかりが外れてジグが戻ってきます。
フック以外は何も失いません。
では、実際にできるのでしょうか。
過去に「塗装が剥げても釣れる」という記事を書きましたが、根がかりしてもうまくフックを伸ばしてジグを回収できたからこそ、塗装が剥げるまで使い込むことができたのです。
※黒マッキーで塗ったジグの後ろ半分の塗装がはげて鉛が剥き出しになったもの↓
※上の3本が実際にフックを曲げて根がかりを回避したもので、下の1本が使用前のフック↓
実行の条件
アシストフックを故意に延ばすには条件が2つがあります。
条件1 フックの強さを知る
自分が使っているアシストフックがどのくらいの力を加えると壊れるのかを知っておかなければなりません。
また、力を加えたときにフックは「折れる」と「曲がる(延びる)」の2種類がありますので、一体どちらの性質を持つフックなのかを知っておかなければなりません。
条件2 使用タックルの強さを知る
次に使用しているタックルがどのくらいの強さに耐えられるかも知らなくはいけません。
通常、根がかりしてラインを切ろうとするときはロッドとリールには負荷がかからないようにしますので、ロッドとリールの強さは関係ありません。
知らなければならないのはスナップやリング、結束後のラインの強度(ラインは結束すると強度が落ちるため)です。
強度の目安は5㎏
経験上の話になりますが、大型の青物や根ズレが激しいような場所を除き、通常のライトショアジギングにおいては5㎏の強さがあれば十分です。
5㎏以上のタックルを使うとラインをどうしても切らなければならないときになかなか切れずに苦労することがあります。
この5㎏というのは、筆者がよく伸びる素材であるナイロンラインを使ったときに、足場の悪いテトラポッドのような場所で両足を動かさず、腰のひねりと腕の力でラインを切ることができた最大の強さから導き出したものです。
海中に捨てられた漁用のロープに刺さったときなどはフックが伸びても回収できません。
こういう場合はラインを切るしかありませんので、ぎりぎり切ることができる強さのタックル設定にしておくことが望ましいと思います。
根がかりした際はラインをハサミで切るのではなく、専用の道具や布を巻いた手で引っ張って切ることが基本です。強いタックルに設定してしまうと引っ張って切る事ができず、ハサミで切ることになります。そうなる多くのライン(ゴミ)を海中に残してしまうことになるので、出来れば避けたいところです。
ここまでのまとめ
5㎏の力に耐えられるタックルと5㎏の力がかかったら曲がるアシストフックを使うことで、根がかりしたときのロスト率を下げることができるのです。
フックの強度 < 使用タックルの強度=ハサミを使わずに道具や手で引っ張ってラインを切る事ができる強さ(成人男性は5㎏が目安)に設定して釣りをしましょう。
タックルの強度についてはラインの強度を目安とするのが良いでしょう。
ラインの強度は結束方法や紫外線、通常の使用によって低下することを考慮し、現在のラインの強度が70%になっていると仮定すると、5㎏の強さを持たせるために必要なライン強度の初期値は、
5㎏(約11ポンド)÷70%≒15.7ポンド(lb) となります。※「lb」は「ポンド」の意味です。
つまり、この場合は初期値の強度が15.7lb以上のラインを使用すれば良いということになります。
リーダーの強さはメインラインより弱くすることが一般的なので、たとえばリーダーはナイロンまたはフロロの16lb、メインラインはPEの24lb(PE1.2号)といったシステムになります。
安いPEラインは号数表記の割に強度が弱いので、1.2号のところを1.5号といったように少し大きめの号数を選ぶと良いことになります。
上記の計算から、私は16lbのフロロを100メートル以上巻けるベイトリール使っていて、過去の記事でもそれをおすすめしています。
また、最近買ったスピニングリールにはPE1.5号を巻いています。
私のタックルはすべて、
釣果UPさせたい→根周り攻めは必須→延びるフックを使用する→延びるフックに適合したタックル選定
というような流れで構築されています。
(普通は、ロッド・リール→ライン→ルアー……フックが出てくるのは最後の方だと思います。)
これまでのタックル紹介記事ではすべて5㎏の強さを前提に組み立てていますので、これからこのシステムをやってみようという方は、過去記事(「タックル」カテゴリー)を参考にしてみてください。
実行策①フックの自作
タックル整備とフックの自作
これで根がかりロストを減らす方法がわかりました。
自分のターゲット(魚)から必要な強さを割り出し、そのタックルづくりとそれに合ったアシストフックを作ってみましょう!
5㎏設定のタックルにしようとする場合、ショアジギングタックルをお持ちの人は既に条件を満たしている場合が多く、そうでない人もラインを巻きかえればほぼ100%の人が条件を満たせるはずです。
となると、課題はアシストフックです。
アシストフックの作り方はブログや動画を調べればたくさん出てきますので調べてみてください。
フライを巻ける人はすぐに出来ると思います。
初めての人は技術習得にそれなりに時間がかかると思いますが、こればかりは避けられません。
ペットや小さい子どものいる家庭では十分な安全を確保して行いましょう。
試作品が出来たらフィールドテストを行いましょう。
理論と実際では違うことがあるので最後の微調整が必要です。
フィールドテストが終わればようやく完成です。
自作すると材料費は市販品を買うより安く済むというメリットがありますが、その反面、制作に時間と労力がかかります。
慣れないうちはフックとアシストラインのすっぽ抜けが発生することがありますので、せっかく魚をかけてもキャッチできず、かえって釣果が下がってしまうこともあります。
なぜどこにも売っていないのか
作るのは面倒だしフィールドテストも面倒なのは事実です。
釣具店で買えればいいのですが、残念ながら売っていないのです。
釣り具メーカーはルアーをなくして新たに購入してくれないと儲からないですから、作ることができても販売しないのです。
じゃあフックメーカーからは発売されないのか。
フックメーカーはルアーメーカーとつながっていることが多いので、お客様である釣具メーカーの利益を損なうようなことはできません。
こうなると、今後の商品化も期待できません。
企業は利益を追求するものなので諦めるしかなさそうです。
なぜプロが出来ない方法なのか
ここでは釣り具メーカーのスタッフやテスターも含めてプロとして考えますが、既に書いたとおり、プロにとっては自分の関係するメーカーの商品を消費者に買ってもらうことが使命です。
彼らにはメーカーから商品が支給されますので、いくつ無くなっても構いません。
また、商品を買うという「模範行動」を消費者に促さなくてはいけません。
誰にも見つからないところでこっそりできるとしても、フックを制作する時間と労力を考えたらやはり支給されるものを使うのではないでしょうか。
そんなわけでプロは出来ない(やらない)のです。
彼らも生活がかかっているので責めるわけにはいきません。
お試し用に
いかがでしたでしょうか。
根掛かりロストリスクを減らすということは環境にも優しいということにもなります。
関心がある方向けに、現在私が普段使っているフックをメルカリに出品しています。
気になる方は「12lbフック」 で検索してみてください。
※「lb」は「ポンド」で変換するか、「エル」・「ビー」で打ってください。
※出品者名は KONBU
3本入り、5本入り、8本入りの3パターンで出品しています。
今回は当ブログ読者向けに出品しているので、当ブログ経由以外の人にはわからないよう商品説明文はほとんど書いていません。
購入するときはメルカリのコメント欄に「キーワード」を打ち込むと2本サービスします。
「キーワード」はご自身のメインフィールド(地域)とメインターゲット(魚種)です。
たとえば、「小樽 ブリ」といったような感じです。
これにより、
3本入り→5本入り
5本入り→7本入り
8本入り→10本入り
になります。
メルカリ以外のチャネルでも販売していますが、すべて価格は時価としています。
シーズン中(春から秋)は制作や発送の作業時間を確保できなかったりするので価格は変動します。
配送料込みの値段とし、匿名配送にしましたので住所氏名はお互いわからないようになっています。
ご関心のある方はどうぞお早めに。
2020年からコロナの影響で在庫は十分あります。
製作実績と提供実績
このアシストフックは、これまで製作した本数は1,000本を超えます。
『ジグロック』との相性は良く、フックがジグを抱えこむトラブルはこれまで一度ありません(『メタルジグ』は検証中)。
ちなみに前回までの記事のとおり、高価なジグと合わせて使った方が経済的効果は高いです。
100均ジグサイトで言うのもおかしいのですが、根がかりしたお高いジグが戻ってきた場合のお得感は大きいですよね。
また、当フックは釣りYou Tuberへの提供実績もあります。
提供したYou Tuberさんたちは釣り具メーカーから商品提供を受けているので、残念ながらこのフックが動画内に出てくることはありませんが。
さらに、釣りTV番組に出演している有名フックメーカーの関係者さんからも問い合わせ実績もあります。
有名フックメーカーのテスターさんだったことは後日わかったのですが、提供メーカー以外のフックを使ったとは言えないでしょう。
他にも、環境保護のコンセプトでも活動していたので、環境保護に関心があり、釣り場が近い複数の飲食店さんなどに置かせていただきました。
こんな方におすすめ
- 釣果UPしたい!
- どのフックを選んだらいいかわからない
- 根魚を釣りたい
- 根がかりストレスを減らしたい
- 5㎏の強さに耐えられるタックル(リーダー20lb以上、PEライン1.5号以上推奨)を使用している
- 環境保護に関心がある
今まで青物狙いが中心だった方には特に効果が表れやすいと思います。
根周りを攻められるようになるとこれまでのショアジギングの概念が覆ります。
しかも、
- 100均ジグを使って、高価なジグを使う人に釣果で勝利
- 堤防で釣果トップ
- 餌やワームより釣果が高い
といった状況が割と起きます。
他に誰もやっていないので、自分だけ釣れる状況が起きているようです。
私の過去の釣果で根魚が多いのは、このフックを使っているためです。
また、以前堤防でキジハタを50匹以上釣ったとき、周囲に何人も釣り人がいましたがエサ釣りを含めてキジハタを釣った人は一人も見かけませんでした。
根掛かり頻発ポイントで根周りを誰も攻められなかったからです。
- 高価なジグを買う
- 誰も攻めていない根を攻める
どちらが釣れると思いますか?
釣果に直結するのは、高価なジグよりも根を攻めることです。
メルカリ出品ページ↓
※売り切れの場合は出品者をクリックして商品を探してください。
※注意事項
・錆びないようにするために使用後は真水で洗って乾燥させてください。傷がついているとそこから錆びやすくなります。
・漁師用ロープなどに刺さると抜けづらいため、フックが刺さる場所によってはフックが曲がっても回収できないことがあります。
・当フックは根がかりを100%回避できるものではありません。当フックの力を発揮させるため、ラインのキズや劣化などはまめにチェックするようにしてください。
・ハンドメイド品なので個体差があります。
・約75㎝のブリヒラマサまではフックを曲げられたことはありませんが、ゴリ巻きするような釣り方だと曲がる恐れもありますので、ライトショアジギング用としてお使い下さい。
最後に
いかがだったでしょうか。
フックを延ばすことで根がかりロストを回避するというコンセプトは理解していただけたでしょうか。
自作出来る人は、是非チャレンジしてみてください。
時間と労力を節約したい人は、メインラインPE1.5号、リーダー20lb以上のタックルで、このフックで試してみてください。
慣れてフックを伸ばせるようになると、今までよりもぐんと根がかりロストが減るのを実感できるようになります。
根掛かりで時間を浪費するのは卒業し、根を攻めて釣りまくりましょう。
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