ビックバッカージグ スライドスティックのショートジャーク&フォール

100均ジグのパートナーを探せ(since2022)

釣りが上達するルアーを見つけてしまいました。

それが、これです。

最初にこれまでの経緯を説明します。

当サイトは100均のジグを使った釣りをテーマに運営していて、タックルや釣り方等を説明しています。

これまでダイソージグを5、6年使い込んできた中で、100均のジグはとても優秀だがどうしても出来ないことがあり、2022年はそれを補ってくれるジグを探そうということでやっています。

インターネットで情報収集し、これまでに有名メーカーのジグを何種類か買いました。

その中のあるジグを使ったところ、当初想定していなかった発見がありましたので、これは紹介しておこうということで今回の記事に至ります。

さて、本題ですが、このジグを買った理由はフロント重心スリム形状という特徴があったからです。

左右非対称という条件も持っていればよかったのですが、このジグは左右対称に作られています。

このジグの使い方についてメーカーサイトで調べてみると、大きめのジャークでスライドさせるように動かして青物を狙うというものだったと思います。

フロント重心のため、ジャークしたときにダートするようなイレギュラーアクションを起こすのだそうです。

しかし、私が虜になったのはそのアクションではありません。

ショートジャーク&フォールです。

ロッドで30㎝ほどジャッとコンパクトにジャークし、ジャークが終わったらロッドを戻してラインスラックを作り、ラインにテンションをかけないままフォールさせます。

このショートジャーク&フォールの繰り返しのアクションが群を抜いて素晴らしかったのです。

何が素晴らしいか説明する前に、ちょっと面倒だと思いますがこちらの記事を読んでいただきたい。

今回の記事を説明するために事前に書いたものです。

リフト&フォールはリフトとフォールの2つの動作に分けられがちですが、実は4つに分けるとより深く理解することが出来ます

ここから、ビックバッカージグ スライドスティックを使用した時の、

①リフト

②リフトからフォールへの移行

③フォール

の3つの動き(④フォールからリフトへの移行は除く)について具体的に見てみます。

まず、①のリフトですが、引き抵抗は軽い部類に入ります。

ジグの形状から水の抵抗を受けづらいことは容易に想像できますね。

実際、ダイソーのジグロックと比較して動かしてみるとかなり抵抗が小さいと実感できます。

抵抗が大きいジグを扱うと、硬いロッドでない限りどうしてもロッドが曲がってしまいます。

そのため、私が推奨するジグのスピードが速いリフトをしようとすると、ロッドを必要以上に動かすこととなり、リフトの幅が大きくなる傾向にあります。

しかし、ビックバッカ―ジグ スライドスティックは抵抗が小さいので、柔らかいロッドでも軽い力で幅の小さいリフトができました。

また、竿を水平にしたり竿先を下げたままでもロッドの操作が出来るので、ジグロックでは難しいスピードの速いショートジャークが可能だったのです。

次に、②リフトからフォールへの移行の場面です。

ビックバッカ―ジグ スライドスティックは、この時間が規則的だったことがポイントです。

これは文字では伝えにくいところなのですが、スリム形状でかつリアバランスのものはリフト後すぐにフォールに移行してしまうので、移行時間が短く、かつその時間が不規則になりがちです。

ビックバッカ―ジグ スライドスティックもスリム形状なのですが、フロント重心というところがミソで、リフト後フォールに入るまでの時間が比較的長いのです。

ほんのゼロコンマ何秒ですが、この差が大きい。

若干のフロント重心

そして、フォールに入るまでの時間が規則的なことがとても重要で、不規則だといつフォールに入ったのかがわからず、レンジキープが難しくなります。

ボトム付近を狙っているときにジグのあるレンジがわからないのは致命的です。

釣り人にとって、「イレギュラー」という言葉は魅惑の言葉ですが、レンジキープを考える上では「規則的であること」がとても重要なことなんだと実感しました。

このように、ビックバッカ―ジグ スライドスティックは、スリム形状でありながらリフトからフォールへの移行時間が比較的長く、その移行時間が規則的であるため、狙ったレンジを攻めやすいのです。

次に③のフォールですが、これはどういった理屈かまだ理解できていませんが、形状の割に比較的遅いと感じました。

フロント重心の影響があるかもしれません。

フォールが遅いということは、これもレンジキープがしすいということになります。

ここまで①から③まで見てきたように、ビックバッカ―ジグ スライドスティックは、軽い力で素速くジグをリフト(ジャーク)することができ、その後の喰わせの間であるフォールまでの移行時間を長くとることが出来、その上移行時間とフォール時間が規則的で比較的遅めという特徴があります。

このことは、メーカーサイトには記載がないので、私が使ってみて気がついたことなのですが、力の弱い人でも長時間ジャークすることができ、喰わせの間をしっかりとることが出来る上、根掛かりしにくい。

しかもアクションが割と規則的なので、ジグが今どのような位置にあるか想像しやすく、アクションのテンポが良いのでロッドワークとリールワークを覚えやすいため、ストレスなく釣りができる。

これと反対のジグを考えてみると、水の抵抗が大きくてアクションするのが大変、イレギュラーなアクションをするのでジグがどんな状況でどのレンジにあるかわからず、根掛かりを避けてワンピッチジャークのような誘いあげるアクションしかすることが出来ない。

しかもアクションがイレギュラーなためロッドワークとリールワークのタイミングが合わせづらくて動きがバラバラ。

ロングロッド、ハイギヤリール、リアバランスのジグが主流の今、意図せずにこのようなショアジギングになってしまっている人もいるのではしょうか。

これは非常にもったいない。

どんなジグでも特徴がつかめれば、それに合わせれば問題ありません。

しかし、それがわかるレベルになるまではある程度練習しなければいけません。

私は全くの初心者というわけではないのでいくらか割り引いて考えても良いのですが、ビックバッカ―ジグ スライドスティックは、ジグを投げた1投目から「使いやすい」という印象を持ちました。

これは企画の中で何十種類とジグを投げた中でもトップクラスです。

そして、使いやすさに感動しているその1投目で釣れたのです。

感動はこれだけでは終わりません。

繊細なアタリがわかったのです。

先ほどリフト(ジャーク)は力がいらず、移行期間は長くて規則的、フォールも比較的遅めと記載しましたが、規則的な動作が不規則になるというハイレベルなアタリを感じ取れたのです。

ホッケは喰うのが下手なため、今まではアピールアクションをし、コンッとかドッというジグにわずかにじゃれ付く振動を感じたら、喰わせのアクションに切り替えて喰わせてフッキングに持ち込むパターンで釣っていたのですが、ビックバッカ―ジグ スライドスティックのショートジャーク&フォールアクションでは、手元の振動ないにも関わらずアクションのテンポの微かな変化でアタリを感じ取ることが出来たのです。

言葉では難しいのですが、①のジャークのときの引き抵抗がわずかに重くなったり、逆にわずかに軽くなったり、②のときにフォールに入る時間がほんのちょっと遅くなるのが魚が付近にいる合図です。

青物とか根魚だと一発でガツンと喰ってくることが多いので、こういった繊細なアタリを、ワームやアジングならまだしも30gのジグで感じ取るという機会はなかったので、これがわかったときは相当興奮しました。

今回は30gを使いましたが、ロッドはサーフロッドの104M(推奨ルアーウエイトが最大42gのもの)で、ショアジギング用のものより柔らかいものを使っていたので、シーバスロッドやエギングロッドも使えると思います。

規則的なショート&フォールでボトム付近をレンジキープで誘い、是非このかすかなアタリを感じ取ってみてください。

ショートジャーク、フォール、ショートジャーク、フォール、とテンポ良くアクション出来るので、初心者にとってはジグのアクションの練習にもなります。

このジグでショートジャーク&フォールをしっかり覚えてから、他のジグを使ったら相当上達が早くなると思います。

イレギュラーアクションのジグばかり使っている人は体に変なクセがついていると思うので、スランプに陥っている人にも基本を見直す上でおすすめします。

価格はAmazonで600円台だったので、メーカージグとしては通常の価格帯になるのではないでしょうか。

企画の記事に書きましたが、あまりに感動したのでつい2匹目を釣ってしまったジグがあったというのはこのジグのことです(No.5)。

私が購入したカラーは、ジグロックと揃えるためブルーピンクにしましたが、好きなもので良いと思います。

フックは、根掛かりロストしたくないので自作のものに変えています。

このジグのおかげでまた一つ上達できたので、しっかりと100均ジグの釣りに活かしていきたいと思います。

しばらくショートジャーク&フォールの釣りを楽しみたいところですが、企画で購入した他のジグたちが待っているので、ほどほどにしておきます。